2016年07月22日

「子連れ狼」ハリウッド映画化

こういうニュースがあるのをご存知の方もいるでしょうが、監督はジャスティン・リンが候補とか言ってます。なんで日本の古い時代劇がいまごろハリウッド映画に? という疑問も出てきていて、当然かと思いますが、意外にあちらではカルト人気を得ているのです。それもこれもタランティーノが好きなせい? 
でも日本で有名なのはおそらく萬屋錦之介主演のTVシリーズですよね。タランティーノが好きなのは若山富三郎主演の映画版の方。かくいう私も大好きです。タランティーノが好きだとかなんだとか言われる前から!
だってすごいんですよ。このシリーズ。この間久々にフィルムセンターで三隅研次監督特集があり1作目の「子を貸し腕貸しつかまつる」を見に行ったんですが、やっぱり素晴らしかった。映像の様式美とか元祖スプラッタとかもいいんですが、なんといっても主人公・拝一刀を演じる若山富三郎の気迫の演技。この人の殺陣は本当に日本の俳優トップクラスでは? さらにあまりにも豪快なストーリー展開。第6作の「地獄へ行くぞ!大五郎」をその昔、浅草の名画座で見た時は、オールナイト上映でおじさん観客たちがみんないびきかいて寝ている中、一人で大興奮しちゃったくらいで、あっけにとられていたんですが最後はもう爆笑するしかない!という無茶展開に、これは正当な評価されざる日本の隠れた名作だと勝手に決めていたんです。
でもやっぱりほかにも好きな人いたんですね。それがタランティーノであり、ロジャー・コーマンだったり。さてその流れでいまごろハリウッド映画化となるわけですが、いくら主役を日本人俳優にやらせると言っても、若山氏以上にすごい拝一刀を演じられる俳優はもういないでしょう。そのあたりはCG技術で補完するのでしょうが、それじゃあ迫力でないんだよな〜。まあどんなことになるか一応期待しておきます。
posted by 編集長 at 13:04| 日記

2016年07月11日

永六輔さん逝く

まもなく9月号校了というところで、突然、永六輔さんが亡くなったという訃報が飛び込んできました。永さんのことは特に説明なしでもほとんどの日本人が知っている存在ですよね。テレビにラジオに随筆に……多彩すぎてどれが本業、代表作といいきれない方です。
永さんといえば、長女の永千絵さんが現在も本誌SCREENでエッセイを連載中ですが、実はその昔、70年代後半ころに、親子で連載を担当されていたのです。もちろん私はそのころ読者の一人ですが。
この連載は、父・六輔さん、娘・千絵さんがそのころ見た近作の主演・助演スター、またはお気にいりスターにあてて手紙を書くといった形式で、時に六輔さんが娘さんに、千絵さんがお父様に書くこともあったと記憶していますが、昔の映画を知っている六輔さんと我々の世代に近い千絵さんの生の感想がそれぞれに面白かったと覚えています。どちらも本当に映画がお好きで、世代が違っても映画を通してコミュニケートできるのだということがわかるコーナーでした。
千絵さんはその後、本格的に映画エッセイストとして活躍され、本誌にもさまざまな記事を書いていただいているのですが、本誌が60周年を迎えた時に特別編で、親子対談をお願いしたら、快く引き受けていただいたことも今となっては貴重なことです。
あまりに突然でまだ千絵さんにもお悔やみを伝えることができていないのですが、日本の芸能界にとって大きな損失といえるのではないかと思います。ご冥福をお祈りいたします。
posted by 編集長 at 15:01| 日記

2016年07月02日

100歳おめでとう

日本時間で言うと昨日になってしまうんですが、7月1日ハリウッド女優オリヴィア・デハヴィランドが100歳を迎えたことが話題になっています。オリヴィア・デハヴィランドといえば一番有名なのが「風と共に去りぬ」(1939)のメラニー役ですね。あの時代の映画俳優がまだ生きているというのがすごさの証明でしょう。しかも「遥かなる我が子」「女相続人」と二度アカデミー主演女優賞を受賞している実力派です。私が映画を見始めたころ、まだ「エアポート77」や「スウォーム」に出ていた現役だったのですが、最近はもう公に出てくることはほとんどないですね。これも有名な話だけど彼女が生まれたのは東京なんですよね。お父さんの仕事の関係だったかな。だから妹ジョーン・フォンテーン(「レベッカ」「断崖」などヒッチコック女優ですね)も東京生まれ。ジョーンは惜しくも2013年96歳で亡くなってしまいましたが。彼女は生前姉と仲が良くなかったようですが「私の方が姉よりも先にアカデミー賞を受賞し、先に結婚しましたから、もし私が先に死んだら、すべての面において私の後塵を拝したと知って激怒するでしょう」と言ったとか。ではオリヴィアは100歳でも嬉しくないんでしょうか? 
12月にはたしかカーク・ダグラスが100歳を迎えるはず。これもすごいけど、この間「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」を見ていたら、ハリウッド内幕ものなので実在の映画人が多数登場してきたんですが、ジョン・ウェイン、エドワード・G・ロビンスンなどと共にダグラスも登場。「スパルタカス」の脚本に関する面白いエピソードが描かれていました。ダグラスの話はまた12月に。
posted by 編集長 at 20:19| 日記

2016年06月26日

「ハリーとトント」

日曜出社前に『午前十時の映画祭7』で「ハリーとトント」を見てきました。今回は日本橋で見ましたが、実は2週間前に新宿でも見たので、今月二回目です。というくらい大好きな映画なんですが、今この時代に映画館で「ハリーとトント」が見られるというのは、『午前十時の映画祭』のおかげとしかいいようがありません。しかも4K! 映像に汚れが全くない状態で見られるのも奇跡的で、2回どころかもっと見ておきたいほどです。
新宿の時もほぼ満員でしたが、今回も空席は一つ二つくらい? 最初に日本公開されたのは「ジョーズ」が大ヒット中の75年末だったので、評論家ベストテンで1位になったものの、当時あまりヒットしたとはいえなかったのでは? それがなぜ今満員か? 宣伝部の方に聞くとやはり予想以上の集客だそうで、おそらく「猫ブーム」もあるのでは? と言っていました。トントのおかげだったんですね。
それにしても今にして素晴らしいと思うのは、70年代半ばのアメリカの空気感が非常によく描かれていること。特に寂れた感じのニューヨーク。『昔はロンドンのようだったのに』と嘆くハリーの独り言が要所要所でいい効果を上げているんです。またハリーの孫や途中で出会うジンジャーという少女のヒッピーぶり。彼らの目指すのはコロラドのコミューン。ベトナム戦争も末期になり、若者たちの夢が崩れていく様子も描かれているし、ハリーの娘(エレン・バースティン)が流行しかけの『ウーマンリブ』を象徴していたり、ラスベガスのステージで歌っているのは女性グループだったり、ハリーの元恋人や、長男の嫁など登場する女性がみんな当時の世相を見事に代弁しているんですね。シカゴやラスベガス、ハリウッドの街並みも今とは違って、貴重な映像資料といえそう。ハリーが車で大陸横断するルート66も今はもう閉鎖されたとか?
何度見ても発見のある映画こそ名作。もうTVやDVDなどで数えきれないほど見ていても、時を改めて見直してみるとまた何かしら発見がある「ハリーとトント」はまさに名作といいたいところです。 
posted by 編集長 at 16:28| 日記

2016年06月13日

四十九日

先月のブログで書いたように、SCREENの三代目編集長を20年にわたって務めた尾河照三氏の四十九日の法要が土曜日に行なわれたので、代官山へ行ってきました。お寺ではなく、奥様が入所されている施設の方で行なわれたのですが、ご親族のほか近代映画社のOBや、親しかった業界関係の方などが集まり、ようやく尾河さんにきちんとお別れができました。最初は存じ上げなかったのですが、息子さんが山口県の方で住職をされており、ご自身でお経も上げられました。なかなかない例だと思われます。ご家族や関係者の方に尾河さんのお話を伺って、いろいろと懐かしいことを思い出しました。ずっと忘れていたんですが、なぜかロッカーを共有させていただいていたんですよね。ロッカーを開けると尾河さんが愛用されていたコロン?のような匂いが立ち込めていたんですが、それはフランス製だったことを初めて伺いました。形見分けにネクタイもいただいて、アットホームな良い供養の場になったのではないかと思います。
まったりしたいところでしたが、そのあと毎月出演しているラジオ番組収録のため、TBSに直行。ご存知の方もいることでしょうが、「明日へのエール〜ことばにのせて」という番組内で月一の映画コーナーを担当させていただいています。これまで「銀幕のことば」というコーナーだったんですが、今月から「エールシアター」というタイトルに変わり、見た人の励みになるような映画を毎月一本紹介するということになりました。今月の放送日は6月25日21時からということですので、よければ聞いてみてください。
posted by 編集長 at 20:19| 日記

2016年06月04日

伝説のファイター、アリ死去

報道するメディアによって、名前の読み方が違っていますが、(SCREENでは)ムハマド・アリが亡くなったそうです。今朝最初にニュースを見た時「重篤」だったのがすぐに「危篤」になり、その直後に「死去」と、あっというまに表記が変わっていくので、こちらもびっくりでしたが。
アリといえば、私らが子供のころ、アントニオ猪木と闘った特別興行がとにかく印象的。我々世代にとっては史上最強のファイターでした。それこそ「ロッキー」が公開される前だったので、海外ボクサーといえばアリというのが当時の子供たちの常識みたいなもの。アリと猪木が戦った翌77年、「ロッキー」が日本公開されヒットしたせいか? アリ自身が自分の役を演じる自伝映画「アリ・ザ・グレーテスト」も同年公開されたんですよ。彼を取り巻く共演者が豪華で、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・デューヴォール、ベン・ジョンスン、ジェームズ・アール・ジョーンズなどハリウッドの演技派がずらりで、そっちの方が気になったくらいなんですが、ちょうど1年前くらいにCSでこの映画が放映していて、DVDとかも出ていないし懐かしいからつい見ちゃったんですね。後年ウィル・スミスがアリを演じる伝記映画も作られ、アカデミー賞候補にもなりましたが、やはり本人が演じているのはまた別の味が。カシアス・クレイ時代の葛藤なども本人が演じているとなにか説得力があるような気がしました。
ドキュメンタリー映画もいくつかあったと思うんですが「モハメド・アリ かけがえのない日々」というのが面白かったです。これはジョージ・フォアマンとの世紀の一戦をメーンにしていたはず。彼の人となりがよく出ていた内容だったと覚えています。それにスタローンが「ロッキー」でアカデミー賞に出席した時、ステージ上にアリが登場して、スタローンと「共演」?したりしたこともあったなあ。ともかくアメリカの英雄だったので、映画界にも縁がないようでいて、時折何かの映画イベントに出席していた記憶が残っています。
できれば「アリ・ザ・グレーテスト」がリバイバルとかソフト化されるといいのだけど。まずはご冥福をお祈りします。
posted by 編集長 at 17:23| 日記

2016年06月02日

久々のジョディー

6月10日から公開される「マネー・モンスター」のキャンペーンで、ジョディー・フォスター監督が久々に来日。先ほど六本木で行なわれたプレミア上映会の舞台挨拶取材に行ってきました。
8年ぶりの日本というから、私がやっと直にインタビューできた「幸せの1ページ」以来ということでしょうか。あれからもう8年か。それまで何度も記者会見では質問していたものの、面と向かってインタビューできたのは初めてだったので、それだけでも嬉しかったのに、『あなたは前に会ったわね』とジョディーが素敵な勘違いをしてくれて、ますます嬉しかったことを今も記憶していますが、今回は会見すらなく、イベント取材のみ。TVが舞台の映画だけあってか、TVインタビューがほとんどの様子。残念です。
それでも生ジョディーを見たくて行ったのですが、会場は満員というのに、日本の観客は本当におとなしく、行儀がいいですね。待っている間、ほとんど雑音がしないので、最前列で取材していた私は、本当に観客がいるのか何度も後ろを確認したほど。さすがにジョディーが入場した時には歓声が上がったけれど、彼女が話している間はじっとコメントに聞きいっているという生真面目なファンばかりでした。それで日本のファンは海外スターから評判がいいんでしょうね。
逆に言うとちょっと盛り上がりに欠けたけど、相変わらず知的な美貌を見せてくれたジョディーでした。次回はまたせめて会見くらいやってね。
posted by 編集長 at 21:19| 日記

2016年05月23日

カンヌ終了

この間始まったと思ったら、もう終わりだったんですね、カンヌ映画祭。昨日家に帰って、さあもう寝なくちゃと思いながらもテレビをつけたら、これから授賞式の生中継というアナウンスが。
あと1週間後と勘違いしていたので、びっくりしたんですが、考えてみればうちの7月号が出るころに発表があるんだなと確認していたから、あっという間にそんな時期になっていたんですね。いま毎日のように現地からレポートが送られてきているのに、不覚でした。
で、眠い目をこすりながら見ていたら、結果はなんとケン・ローチが2度目のパルム(題名は「アイ、ダニエル・ブレイク」)。今年はグザヴィエ・ドランじゃないかと思っていたし、下馬評もそんな感じでしたが、まさかあの“マッドマックス”ジョージ・ミラーが堅実なローチを選ぶとは(彼だけが審査員じゃないけど)。しかも内容はやはりローチらしく、英国の福祉制度を非難したもの。気になる映画ですが、正直またローチか……という気がしなくもないですねえ。
昨年から始まったパフォーマンス付のステージ構成は、まだ改善の余地があるかな。カンヌといえどもやはりアカデミー賞のようにはなかなかなれないですね。受賞の言葉も、誰も止める人がいないから、いつまでたってもしゃべりまくる人がいて、だんだん聞いている方がくたびれてくるし。
と、批判的なことばかり書いているようですが、やはり受賞者それぞれの作品にかけた感慨というものは熱く伝わってきました。おそらく通例として来年の今頃、こうした受賞作が日本でも見られるのでしょう。期待しています。
posted by 編集長 at 14:38| 日記

2016年05月16日

三社祭終了

昨日までの祭囃子のにぎやかさが嘘のような、いつもの穏やかな朝を迎えた地元・浅草。そうです、昨日までは恒例、三社祭一色だったんです。ここのところ毎週末、観光客でごったがえしているけど、この日だけはまた特別なにぎわい。連日ここを訪れる膨大な外国人観光客がかすむくらい、地元の浅草っ子がこの町を取り返したような三日間になるのです。そういう意味ではこの週末は浅草にとって、隅田川花火大会よりも正月よりも一年で最も特別な日々かも。
でも昨日も界隈を歩いていて少しさびしかったのは、かつてのような猥雑なパワーが薄まったかな?ということ。よくいえば行儀よくなったという感じで、健全なお祭りになってきた印象なんですが、もとはもっと抑えきれないようなパワーを感じた祭でした。全身の刺青を見せる人も、お神輿に乗りあがる人もあまりいなくなり(公序良俗に反するということでしょうか?)、ある種の「危ない」というドキドキ感が無くなってきたと思ってしまうのは、ここに長年住んできた者の単なる贅沢なノスタルジーでしょうか。
posted by 編集長 at 16:15| 日記

2016年05月11日

今年もカンヌの季節

ようやく7月号が校了し、ほっと一息。と思うと、いつものカンヌが始まるんですね。
オープニングのウッディー・アレンとかは別にして、今年のコンペ作の監督の顔ぶれを見ると、またもやダルデンヌ兄弟とか、ケン・ローチとか、常連の名前がずらり。ほかにジム・ジャームッシュ、パク・チャヌク、オリヴィエ・アサイヤス、ペドロ・アルモドヴァル、アスガー・ファルハディ、クリスチャン・ムンジウなどまたか、という人々が多いですが、今年はグザヴィエ・ドランがいよいよパルムかという噂が有力のようですね。いつもベテランばかりなので、若い力に目をむけるとすると、彼ぐらいしかいないのがこのところの映画界。ほかに面白そうなのはポール・ヴァーホーヴェンとかショーン・ペン、ニコラス・ウィンディング・レフンあたりが獲るのもいいかも。
クロージングはスピルバーグの「BFG」になるのかな?他にも誰がレッドカーペットをにぎわすのか興味深いです。 近々カンヌ現地レポートもオンラインニュースでスタートする予定ですので、お楽しみに。
posted by 編集長 at 17:01| 日記