2014年11月22日

マイク・ニコルズ監督

訃報が続きますが、今度は「卒業」で有名なマイク・ニコルズ監督がニューヨークで19日急死したというニュースが。死因はすぐに発表されなかったんですが、心不全のようです。数年前に心臓のバイパス手術を受けていたので、おそらく心臓かなとは思いましたが。数日前に奥さんのダイアン・ソーヤーと元気にパーティーに出席している写真もあったので、実際本当に急死だったのでしょう。
享年83歳ということですが、「卒業」を撮った67年には30代だったんですね。30代のうちにアカデミー賞監督賞を取れる人はこの時代あまりいなかったんじゃないかな。その前に「バージニア・ウルフなんかこわくない」とか撮っているので、“天才監督現る”という感じだったのでは。もともとコメディアンだったというキャリアも意外で、しかものちにジョン・ベルーシーなどサタデー・ナイト・ライブの面々や名だたるアメリカのコメディアンを排出するシカゴの劇団“セカンド・シティー”の最初期のメンバーだったんですね。その当時一緒に舞台に出ていたのがのちの女流監督エレーン・メイ。彼女はたしかにコメディー映画の監督という印象だけど、ニコルズはあまり喜劇監督という感じはないですよね。でも「卒業」はアメリカだとコメディー映画の範疇に入るんだそうです。そのあたりはお国柄なのか、日本人にはよくわからない感性なんでしょう。
個人的に彼の作品で一番好きなのは「イルカの日」。これこそコメディーの要素は一切ない、SF要素も加えたポリティカル・サスペンス。それでいて抒情的で、人類終末論的で、何度見てもひきつけられます。確かに「ワーキングガール」など他の作品にはどこかコミカルな要素も含まれていることが多かったかもしれないけれど、「シルクウッド」などサスペンス調の演出に優れていたような印象です。
他にもニューシネマ時代の「愛の狩人」や「キャッチ22」、メリル・ストリープと組んだ「心みだれて」「ハリウッドにくちづけ」、近年の「クローサー」や「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(これが遺作)など次々彼の監督作が思い浮かびます。舞台演出でも名を成し、多くの俳優に愛されたそう。ご冥福をお祈りします。
posted by 編集長 at 15:20| 日記

2014年11月18日

高倉健死去

11月10日に日本が誇る名優・高倉健が亡くなっていたことが、18日になって公表されました。びっくりすると同時に、すべてが終わってから明かされるなんて、寅さんこと渥美清と同じ美学だなと感慨深いものが。
もちろん東映任侠&やくざ映画が好きな私には重要な俳優です。「緋牡丹博徒」「網走番外地」「日本侠客伝」「昭和残侠伝」シリーズなど代表作は限りないし、熱狂的ファンも多い作品なので私ごときが語るのもなんですが、ここは外国作品と健さんのことを。
最初の外国映画出演はロバート・オルドリッチ監督の「燃える戦場」(70)だったはず。主演はマイケル・ケーンだったけど、残念ながら私はこれを見逃してるんですよね。どこかで追悼上映(放映)してくれないかな。次があの「ザ・ヤクザ」。シドニー・ポラック監督作で共演はロバート・ミッチャム。いかにもハリウッド風の日本描写もありましたが、任侠映画そのままで出演した健さんがかっこよかった。そして大ヒット作「ブラック・レイン」。マイケル・ダグラスに引けを取らない存在感が渋くて良かったんですが、故・松田優作に話題を持って行かれてしまった感じが。そして「ミスター・ベースボール」。この作品の会見で実際の健さんを見ることができたんですが、本当に公私ともに変わらない人柄で、本人はそういう分け方をしない(できない?)ことを『自分は不器用ですから』という名セリフに込めていたんだそう。もう一つ思い出されるのが中国で撮った「単騎、千里を走る。」。これはいい映画だったなあと今更ながら思うのですが、健さんは中国で大ヒットした「君よ憤怒の河を渡れ」で最も有名な日本人俳優だったんです。その健さんが中国(日本と合作)映画に出るとあって、チャン・イーモウ監督はじめスタッフは大変緊張したそうです。
他にも「幸せの黄色いハンカチ」とか「八甲田山」とか「人間の証明」「南極物語」など代表作が多く、あまりふれられないであろう洋画で振り返ってみましたが、もっと海外進出もでき、国際的俳優にもなれたはず。でもそんな余計な考えは視野になかったのかもしれません。このストイックさ、義理・人情・礼儀といった日本人の美点を体現できる役者はもう出てこないでしょう。そう思うと本当に残念です。ご冥福をお祈りします。
posted by 編集長 at 13:04| 日記

2014年11月13日

ゴーン・ガール

デーヴィッド・フィンチャー監督の新作「ゴーン・ガール」をやっと見てきました。
実はお披露目試写にも行ったのですが、その時は開映30分前に劇場が超満員になり、100人くらい帰されたんじゃないかな? そのあと、見た人から『未見の人には内容が言えないから早く見ろ』と言われていたのですが、常に試写が満員という噂で、なかなか行けなかったんですよね。
で、見たのはいいけど、やっぱりこれ詳しいこと書けないじゃん!ということになりました。物語の出だしはベン・アフレック扮する主人公の妻(ロザムンド・パイク)が結婚五周年を迎えた日、突然失踪してしまうのですが、警察や世間の疑惑の目は次第に主人公に向けられていくというもの。その事件の意外な裏があって、さらに予想しづらい展開が待っているということしか言えないんですが、普通に良い人間がほとんど出てこないため、誰が誰に何をするか途中まで読めない状況になり、そんなのあり?というブラックな展開を経て、男女の核心を突くラストになだれ込むという2時間半です。
なんじゃそりゃ?と思われた方も多いでしょうが、細かいことを言えないので、こんな説明になってしまうんですよ。先だって見た「インターステラー」も言えないところが多く、こういう面白いのに説明しづらい作品が最近増えている気がします。まあ結局は劇場で見てくださいということですが。
ともかくロザムンドが熱演で、オスカー候補は堅いんじゃないかな。司会に決まったニール・パトリック・ハリスも出演していて、怪演を見せています。作品賞を取るにはブラックすぎるかもしれないけど、一見の価値ありです。
posted by 編集長 at 19:50| 日記

2014年11月07日

新宿歌舞伎町

1月号がクライマックスを迎えているとき、カンバーバッチが婚約したとか、「スター・ウォーズ7」のタイトルが決まったとか、「トイ・ストーリー4」が作られるとか、そういうニュースを連続するのはやめてくれ!って言いたくなるほど、もう大変な状態です。でも出口まであと一歩?
話変わって先週末、会社に出る前に今年いっぱいで閉館になる新宿ミラノ座に行かなきゃと思って、見逃していた「ヘラクレス」に行ったんですが、一番大きなミラノ1は一週目だけで終わりで、二週目から地下のミラノ2での上映になっていました。まあ、ここもかつては新宿東急だったところだし……と、せっかく来たので懐かしい劇場で見ていくことに。
映画は予想より面白かったですが、やはりこのあたりの雰囲気がむちゃくちゃ変わっていたのがショックでした。廃れている……この劇場を中心に四方が映画館で埋め尽くされていたころを知っている者には寂しすぎる光景。でも向かいの旧コマ劇場&新宿プラザだった跡地に巨大なビルが現われびっくり。これは来年3月にオープンする新宿東宝ビル。高層ビルですよね?このあたりには珍しい。来年ここにTOHOシネマズ新宿が入るんですが、これが歌舞伎町再生の起爆剤になる予定。
だがしかし、帰りがけにその周辺をちょっと歩いただけで客引きのお兄さんに何人も声をかけられ、一体この環境をどうやって変えていくのか、見当もつきませんでした。若い客層をこのあたりに呼び戻すのはいろいろ大変そうです。と言いつつ、明日も休日出社前に歌舞伎町へ行って、今度こそミラノ1の超大画面でシュワちゃんの「サボタージュ」を見ようと画策しているのでした。

posted by 編集長 at 20:10| 日記

2014年10月24日

ジョン・ラセター自ら

東京国際映画祭が開幕しましたが、このオープニングに合わせて来日したジョン・ラセターが、日本のマスコミ向けに今後のアニメーション新作プレゼンをやりたいということで、六本木の会場に行ってきました。以前にもこうしたディズニー新作プレゼンは行っていますが、そういう時は誰か重役が発表するものの、ラセターがやるのって初めて? ちなみに以前のプレゼンで憶えているのは、「カールじいさん〜」とか「プリンセスと魔法のキス」とかがまだまだ未完成のころ、出来立ての部分やラフスケッチ的なものを見せてくれた時。おじいちゃんや黒人プリンセスという大胆な主人公設定に、ディズニーの変革を感じたものです。
今回はワールドプレミアとなる「ベイマックス」(すでに見ましたが、良い出来です。多くの人が癒されそう。アニメなのに意外な人物がカメオ出演して笑えました)を引っ提げてやってきたラセターは「アナ雪」の大ヒットに大変満足している様子。ディズニースタジオのスタッフがそれぞれ自国の言葉(いろんな国の人が一つのスタジオで働いているんです)で『ありがとう』を日本の観客に向けて語りかけるクリップの上映後は『この映像を見るといつも涙ぐんでしまう』と告白していました。
ということで日本向けに特別に、今後の新作を映像を見せながら教えてくれたラセター。ディズニー・アニメーションは久々に言葉を話す動物たちが織り成す物語『ズートピア』、ポリネシアの少女が主人公の『モアナ』の一部を紹介。ピクサー作品は来年公開の『インサイド・ヘッド』はじめ『グッドダイナソー』『ファインディン・ドリー』のストーリーを紹介してくれました。どれも完成が楽しみな作品ばかりです。
日本大好きのラセターは、この後午後からも同じ会場でプレゼン&講演のようなものをやるとか聞きました。そこではジブリ愛をもっと語りたいのだそうです。バイタリティーあふれるお方です。

posted by 編集長 at 13:02| 日記

2014年10月14日

26回目の世界文化賞

毎年この時期恒例の『高松宮殿下記念世界文化賞』の受賞者記者会見に行ってきました。
今年の受賞者は絵画部門がフランスのマルシャル・レイス氏、彫刻部門がジュゼッペ・ペネーノ氏、建築部門がアメリカのスティーヴン・ホール氏、音楽部門がアルヴォ・ペルト氏、演劇・映像部門が南アフリカのアソル・フガード氏でした。フガードさんはアカデミー外国語映画賞を受賞した「ツォツィ」などの原作者であり、演劇・作家として著名な人物で、南アフリカから初の受賞者となりました。
個人的にはあまり知らなくてもこういう超一流のアーチストが一堂に会するということは本当にすごいことです。それはその場にいるだけで何か特別なものが伝わってくるのです。あまり知られていないかもしれないですが、その会見にはいつも国際顧問として、ものすごい人たちが同席しているからかもしれません。日本からは第1回からずっと出席されている中曽根康弘元首相はじめ、元イタリア首相のランベルト・ディーニ、オックスフォード大学総長のクリストファー・パッテン、メトロポリタン美術館理事長のウィリアム・ルアーズ、ドイツのプロイセン文化財団総長のクラウス・ディーター・レーマン(さらに欠席だったけど元フランス首相のジャン・ピエール・ラファランも)といったとんでもない人たちがずらりと並んでいるのを見るだけで圧倒されます。
日本人はあまりわかっていないようだけど、こういう立派な芸術賞があることを国民の誇りにした方がいいと彼らは口をそろえて言っています。みなさんも覚えておいてくださいね。
posted by 編集長 at 21:38| 日記

2014年10月06日

東京に台風

昨日から雨が激しく降っていましたが、今朝出勤するころに東京方面は台風18号の真っ只中に。TVであまりに脅かすようなレポートが多かったので、とりあえずいつもより30分ほど早めに家を出ました。レインシューズなんてしゃれたものを持っていないので、いつもの靴にとりあえず濡れた時に取り換え用の靴下とタオルを持って。暴風雨かと思いきや、雨は激しいものの、風がそれほどでもなかったのが幸い。うちから一番近い駅まで2分ほどだけど、電車が遅れ気味だとTVで言っていたし、ツイートに電車内が混みすぎ!という情報もあったので、覚悟していたら、ホームについた早々電車は来るし、そんなに混んでないし、三駅ほど乗車して、乗り換えたら、やはりそっちもすんなり電車が来て(遅れて申し訳ありませんというアナウンスはあったけど)、いつもよりだいぶ早く会社に着いてしまいました。
こういう時、学校は休校になるようですが、SCREENは現在12月号の締め切りと必死に戦っている最中なので、休むなんて無理(しかも遅れ気味!大丈夫なのか?)。でもあっという間に晴れ間が出てきたようです。もう少し早く過ぎ去ってくれれば良かったのに。
posted by 編集長 at 13:11| 日記

2014年10月03日

ソフトバンクのハリウッド進出作戦

昨日、携帯(スマホ)の月額請求を見て、通話料高いなあと思っていた私。他社だけど、ソフトバンクってなんであんなに金持っているんでしょう?(邪推?)
この間ソフトバンクがドリームワークス・アニメーションを買収するとかいうニュースを見て、いまどきの日本の会社でハリウッドに出資するところがあるんだと驚いたんですが(その後交渉は停滞気味とか)、今度は同社が、レジェンダリー・エンターテインメントに出資するとかいうニュースが。レジェンダリーといえば、この夏の「GODZILLA」はじめ「パシフィック・リム」とか「ダークナイト」とかワーナー系の作品を多く製作しているハリウッドの大手製作会社。どうやらソフトがほしいんだなということはわかるんですが、それだけの資金を用意できるって、中国じゃあるまいし、いまどき日本の会社にしては羽振りが良すぎ? 
それこそ日本でバブルがはじける前はいろんな大手会社がこぞってハリウッドに攻勢をかけた時代もあったけど、今はほとんどが撤退。コロンビアを買収した●●●だって、エンタテインメント部門から撤退しろとあちこちから言われている(らしい)ほどだし、大丈夫?とも思うのですが、それもこれもやはり携帯・スマホで儲かっているからかと思うと、なんだかなあ。
スマホで映画を見られる時代ですが、映画は大きな画面で見なきゃだめ!っていう考えはもう時代遅れどころか、化石並みに古い発想なのかも。
posted by 編集長 at 17:45| 日記

2014年09月24日

天才スピヴェットの驚愕

東京国際映画祭の特別招待作が決まりました。オープニングのディズニー最新作「ベイマックス」、クロージングの「寄生獣」はいち早く発表されていましたが、ほかにシリーズもの「エクスペンダブルズ3」「ザ・レイドGOKUDO」や、アトム・エゴヤン監督の「デビルズ・ノット」、ジョン・ファヴローが豪華ゲスト出演陣と作った「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」、インド映画「チェイス!」、オマール・シー主演の「サンバ」などがあり、WOWOWが配給の注目作「もしも建物が話せたら」(ヴェンダース、レッドフォード監督らが演出した合作オムニバス?)、「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス 50年の挑戦」(スコセッシとデーヴィッド・テデスキ監督の英米日合作)など、映画ファン向きの作品もあります。
 その中に選ばれている一本で、ジャン・ピエール・ジュネ監督の新作「天才スピヴェット」を何の予備知識もなく見たのですが、少年版「アメリ」ではないけれど、久々にジュネの語り口にはまりました。驚いたのは、映画の舞台は完全にアメリカで、その田園的な風景から都市風景に至るまで、少年が列車に乗って旅する光景を見ながら、こんなアメリカに行ってみたいと思わせるシーンが満載だったのですが、実はアメリカ(というかハリウッド)嫌いのジュネ監督、全然アメリカ・ロケをしていないんだそう。どうやらカナダで撮影したようなのですが、よくもまあこれだけ見事なフェイクを作り出せたものと、感心してしまいました。
ジュネとこの少年俳優も来日するらしいので、会見などで制作秘話を聞いてみたいものです。
posted by 編集長 at 13:11| 日記

2014年09月19日

スコットランド独立問題

もうそろそろスコットランドのイングランドからの独立選挙に結果が出そうです。接戦が予想されましたが、どうやら反対派がわずかに上回りそう。
この件では、もし独立派が勝てばいろいろな社会問題が浮上するとニュースで解説していましたが、私が懸念していたのは、もし独立派が勝ったら、英国男優総選挙の結果はどうしたらいいかという、まったく世間の話題にも上らない事案。ジェームズ・マカヴォイやジェラード・バトラーのようなスコットランド出身スターは、今後英国男優と呼んではいけないのでは? というような疑問が頭をよぎっていましたが、誰もそんな解説をしてくれる人はいませんから、まず選挙の成り行きを見ていたわけです。
とりあえず今回はそのままの状態に収まりそうですが、ショーン・コネリーのように以前から独立派を表明していたスターはともかく、マカヴォイやバトラーは今回の選挙をどう思っていたんでしょう。ちょっと気になります。
posted by 編集長 at 11:38| 日記