2017年05月18日

カリコレで見たかったあの映画が!

東京・新宿シネマカリテで毎年開催される「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション」通称カリコレが今年もやることが発表されましたが、その中に嬉しくも私が今年一番見たかった映画のタイトルが!
昨年アメリカで公開されてすごい高評価を得ていたんですが、どこでも配給・上映する気配がなく、あきらめていたところでした。それはあの呪われた巨匠?ブライアン・デパルマのドキュメンタリー、その名も「デ・パルマ」! このところペキンパーやアルトマンやヒッチコック&トリュフォーなど映画監督にまつわるドキュメンタリーも日本公開されていたので、やってくれるのでは……というかすかな期待もあったんですけどね。
この映画、デパルマ信者(?なのか?)のノア・バウムバックが監督しているんですが、あのロッテン・トマトでほぼ100%の高評価を得ていたんですよ(たぶん最終的に96〜97%になったと思う)。ただデパルマの映画人生を追うだけでなく、見た人の評価を見ると、映画の作り方の裏側(技術だけでなくお金のことも?)よくわかるということだったような気が。
この間、世界文化賞を受賞したスコセッシが、略歴リリースの中でもっとも影響受けた作家にデパルマの名前を挙げていたんですが、その意味を質問したかったのに、記者会見で指名してもらえなかった……という悔しさはともかく、ハリウッド第9世代の中でも異端児的存在ながら唯一無二のマスター(たぶん)。こんなデパルマでもいつかアカデミー名誉賞とかもらえるんでしょうか? と心配するくらい気になる裏巨匠。
彼自身の映画はいつも評価が真っ二つに分かれるけど、このドキュメンタリーはほとんどの評論家が絶賛。これを見ないわけにはいかない! ということでカリコレさん、ありがとうございます。絶対見ようと思います。
posted by 編集局長 at 22:06| 日記

2017年04月22日

カナダから来た二人

6月号が発売されたばかりですが、ゴールデンウィーク前の進行で毎年のこととはいえ、7月号は今が一番大変です。ということで、先週取材した「メッセージ」のドニ・ヴィルヌーヴ監督のことも新作「赤毛のアン」の新星エラ・バレンタインのこともなかなか書けずに今日になってしまいました。考えてみればどちらもカナダ出身の映画人ですね。ただヴィルヌーヴはケベック出身で、エラはトロント出身という違いはあります。
さてヴィルヌーヴといえば、今映画界で最も注目される監督の一人。それは「メッセージ」でアカデミー賞に初ノミネートされたからというより、秋公開の「ブレードランナー2049」の監督であり、さらに続いて「デューン/砂の惑星」のリメイクの監督に抜擢されたからです。これだけSFが続くというのに、これまで撮ってきた映画が「灼熱の魂」とか「プリズナーズ」とか「ボーダーライン」みたいなハードなドラマだったので、一体どういういきさつでSFの方に転換したのか、その辺も興味をそそるわけです。しかも「メッセージ」自体が一筋縄ではいかないSFだったので、マニアさえも注目。意外にもその素顔は大変穏やかな紳士でしたが、注目のインタビューは7月号をお楽しみに。
そして新「赤毛のアン」ことエラ・バレンタインはただいま16歳のフレッシュな少女。撮影時は12歳だったというから4年たっているのに、いまだにフレッシュなのがすごい。とても快活なタイプで、話もきちんとしていて頭もよさそう。なんとなく昔アイドルだったアリッサ・ミラノを思いだしました。でもハリウッド女優のように横から口を出すエージェントがくっついているわけでなく、いろんな縛りがないせいか、久々におおらかなインタビューができました。お父さんとお母さんが同席していたけど、ほとんど見ているだけだったし。
最近のハリウッドセレブ取材とは一味違う余裕ある取材ができた二人で(先日のサモ・ハンもそうだけど)、編集者としては大変好印象でした。そうそうエラの方も7月号で特写とともにインタビュー掲載しますのでこちらもよろしく。
posted by 編集局長 at 19:27| 日記

2017年04月06日

30年ぶりのサモ・ハン

ジャッキー・チェンと共に香港アクション黄金時代を牽引してきた彼の兄弟子サモ・ハン・キンポー(いまはサモ・ハンだけらしいですが)。そんな彼が11年ぶりに新作キャンペーンで来日。今朝がたインタビューに行ってきました。新作は主演兼監督の「おじいちゃんはデブゴン」とアクション監督作(ちょっと出演も)「コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝」の2作。インタビュールームに現われたサモ・ハンは相変わらずの体型ですが髪は白くなり、貫録がますます倍増。でも怖い人ではなく、本人も『俺は強いんだぞと触れ回るような人はいないよ。自分はまったく普通の人間だと思っている』とひょうひょうとしたもの。
私は以前、彼に会ったことがあるんですが、なんと30年も前。ジャッキー共演の「サイクロンZ」の撮影現場でした。私にとっては初の海外取材で思い出深いんですが、ジャッキーとサモ・ハンとユン・ピョウのトリオがそろって特写を撮らせてくれ、結果本誌の巻頭を飾ったのです。その時からすでにボスのようなサモでしたが、今や本当にボス。でも写真撮影ではこちらの注文にいろいろ合わせてくれたり、サービス精神を見せてくれました。
インタビュアーもカメラマンも久々のサモ・ハンに感動していました。このインタビューはSCREENの7月号(5月21日発売)に掲載予定ですのでお楽しみに。
posted by 編集局長 at 22:33| 日記

2017年03月22日

なぜトランプは大統領になれたのか

本誌の連載コーナーでもおなじみの西森マリーさんが書かれた新刊「ドナルド・トランプはなぜ大統領になれたのか?アメリカを蝕むリベラル・エリートの真実」(星海社新書)を送っていただき、拝読しました。
タイトルにある通り、大方の予想を裏切って?合衆国大統領に選出された共和党代表のドナルド・トランプ氏。でもそれは予想外のことではなく、必然だったということを米国在住の西森さんは明かしていきます。ムスリムでもある西森さんから見たアメリカの実情が暴かれていて、たしかにオバマ政権のやり方にうんざりしていたエリート層でない多数のアメリカ国民が、これまでの民主党政権に反旗を翻したことは、数々の我々日本人があまり知らない現実問題の積み重ねからも納得させられる結果だったようです。オバマ政権のやり方で満足できる人もいたのでしょうが、それはアメリカ人の一部であり、その一部の中核をなす人々を常に一方通行的に見ている諸外国の人には、「なぜあんな暴君が大統領に選ばれるのか?」ということにつながるわけです。
西森さんは、暴君とみられるトランプのもう一つの側面を論じるとともに、オバマやヒラリーのやり方=民主党のやり方、考え方のほころびを突いてきます。やむにやまれず共和党を選んだという人もいると同時に、トランプに夢を託したアメリカ人も多いという現状が書かれています。
先日のアカデミー賞やゴールデングローブ賞でも、やはり反トランプ色は色濃く、我々はメディアを通してそういうネガティブ・イメージのトランプしか知らないといっても過言ではないかもしれません。でもそんなトランプを選んだ国民はみんな無知蒙昧なのか? 差別主義が蔓延しているのか? という疑問もありました。この本には、その答えのいくつかが記されているようです。
憂慮されるのは、二分化されたアメリカ国民がいつまでも対立を続け、国の未来に向けての足並みがそろわなくなることかもしれません。それを一つにまとめる力がトランプにあるかどうかはこれからずっと見ていかなければならないでしょう。でも筆者は、有能なビジネスマンだったトランプはアメリカを再び偉大にな国にする力があると信じています。その可能性を示唆する内容のこの本、一度読んでみては?
posted by 編集局長 at 15:10| 日記

2017年03月19日

「わたしは、ダニエル・ブレイク」

昨年カンヌでパルム・ドールを取ってからずっと見たいと思っていたんですが、試写が始まったのが、オスカー候補作の試写の時期と重なって、そちらの作品群を優先して見ていたので、結局見そびれてしまい、公開二日目でようやく見ることができました。
その間に、もうストーリーの流れも、どんなシーンがあるかもわかってしまったので、あまり感動できないかなと思っていたんですが、これはそんな杞憂を吹き飛ばすくらい、しっかりした映画でしたね。ケン・ローチが一時発表した引退を撤回してまで撮りたかった作品ということで、どんなものかと思っていましたが、まさに入魂の一作。しかも英国の雇用支援金問題を扱ったシンプルかつストレートな物語で、彼はこれで何が言いたいのかひしひしと伝わってきます。彼がもっとも大切に思うのは一人一人の人間に尊厳があるということ。それをないがしろにする政府のやり方に真っ向から批判をしているのです。「もうタイムアップは近い」と。
以前、ローチが日本の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した時、記者会見で彼を見たのですが、受賞を光栄と受け止めながらも、賞金を「国鉄分割民営化に反対した闘争団に寄付する」と宣言したのを聞いて、この人はとことん硬派だなと感じ入りました。そんな彼が80歳を目前に完成した本作は、まさに「これを言わずには死ねない」というような気概も感じられて、もしかしたら今までのローチ作品で一番好きかも?と思えました。必見です。
posted by 編集局長 at 20:14| 日記

2017年02月27日

アカデミー賞、前代未聞の大ハプニング

先ほどアカデミー賞のライブ中継を見終えて、帰社したところですが、最後の最後でとんでもない大ハプニングが発生し、見てる方も混乱状態でした。
あちこちで報道され始めていますが、クライマックスの作品賞発表の時、それは起こりました。製作50周年を記念して「俺たちに明日はない」のウォーレン・ビーティーとフェー・ダナウェーの主演コンビがプレゼンターとして現われ、封筒を開き『作品賞は「ラ・ラ・ランド」』とアナウンスしたんです。まあこれまでの流れからして順当な幕引きだと思っていたんですが、喜び勇んで「ラ・ラ・ランド」チームが登壇し、感謝のコメントを語り始めた時、なにか様子がおかしくなり始めたんですよね。突然「ラ・ラ・ランド」の製作者が『本当の勝者は「ムーンライト」だ。私らの手でこの像を彼らに渡したい』と発言して、ライバルを激励しているのかな?と最初は思ったんです。でもなんだか本当に作品賞は「ムーンライト」だという声が聞こえ始め、現場は大混乱。見ている方は何が起きたのかとポカーンとしていたら、司会のジミー・キンメルが『ウォーレン、なんてことをしてくれたんだ!』と笑いながらビーティーを問い詰めると、ビーティーが『本当の封筒の中身はこれだ』といって「ムーンライト」のタイトルが書かれた紙を見せだしたんです。この時点では、まさかビーティーがトチ狂ったジョークをかました? とか、文字も読めなかった? とかありえない憶測が飛び交ったんですが、直後の話ではビーティーたちに渡されたのはその前に発表された主演女優賞(「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン)の封筒だったようなのです!
本当ならこれはあり得ないスタッフのミスとなりますね。本来発表後の封筒は回収されなければいけないのに、なぜかそのまま次のプレゼンターに渡されてしまったとしたら、ビーティーたちのせいではないでしょう。ビーティーも『封筒を開けたらエマ・ストーンの名前があったので、おかしいなとは思った』というんですが、こんなミスはまさしく史上初と思われる(特に作品賞では)ので、現場のばたばたぶりも納得は行くんですが、こういう時、どうやって混乱を収めるのかなんて誰にもわからないですよね。さすがのキンメルもなすすべがなく『これは私のせいだと思う』などとジョークを言って中継は終わってしまいました。
今後もう少し詳しい情報がわかってくると思いますが、奇跡の逆転劇には変わりないものの、なんだか「ラ・ラ・ランド」にも「ムーンライト」にも気の毒な終わり方になってしまいました。それまで今年は割と平板な授賞式かなと思っていたのに、最後の最後でこんなことが起こるなんて、まさにオスカーはふたを開けてみなくては判らない映画界最大のショーです。大統領に叩かれなければいいけど。
posted by 編集局長 at 16:20| 日記

2017年02月26日

ラジー賞も反トランプ?

アカデミー賞の前日発表される、おふざけのラジー賞ことゴールデン・ラズベリー賞(最低映画賞)が発表になりました。ちょっと驚いたのは、この賞まで反トランプの影響があるのか?というものだったことです。
最低映画作品賞に選ばれた「ヒラリーのアメリカ、民主党の秘密の歴史」は、トランプ大統領の対立候補だったヒラリー・クリントンと民主党の闇を暴くみたいなドキュメンタリーですが、とにかくヒラリー憎しというような内容だとか。作品賞だけでなく監督でもあるディネシュ・デスーザというインド系の政治学者が最低主演男優賞を(ブルース・スクーリーと共同で最低監督賞も)受賞。ドキュメントの中でヒラリーを演じたベッキー・ターナーという女優が最低主演女優賞を受賞と、主要部門をすべてこのドキュメントが受賞したんです。ハリウッドはたしかに民主党びいきの人が圧倒的と思いますが、ラジー賞もそうだった、みたいな結果ですね。でもこれもジョーク?ということなんでしょうか。実際この映画を見ていないので何とも言えませんが、夫ビル・クリントンの女性スキャンダルは、実際は(夫の浮気症を知る)ヒラリーが自ら勧めて起こったことだとか、そういうことを力説しているようです。このデスーザ氏は以前「オバマのアメリカ」という映画も作っていて、やはりオバマ前大統領を大批判した内容だったとか。今回はラジー賞の選考委員もこのデスーザ氏に怒りの矛先を向けたのでしょうか。
ちなみに最低助演男優賞(ジェシー・アイゼンバーグ)、最低コンビ賞(ベン・アフレックとヘンリー・カヴィル)、最低シリーズ映画賞、最低脚本賞はしっかり?「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」が受賞。もしかしてラジー主演男優賞をベン・アフレックが受賞して、翌日オスカー主演男優賞を弟ケーシーが受賞するという、前代未聞の兄弟受賞が起きるかもという予想は外れてしまいました。でもオスカー確定といわれていたケーシーにいま黄信号が灯っていて、『フェンシズ』のデンゼル・ワシントンが逆転受賞という可能性が大きくなってきました。すると助演男女優賞も黒人俳優が有力で、演技部門四つのうち三つを黒人が受賞する史上初の事態になるかも? 昨年の「白すぎるオスカー」批判の反動なのか、これもトランプの人種偏見に対する反応なのか。明日のオスカーに注目です。
posted by 編集局長 at 15:37| 日記

2017年02月18日

日本ヘラルド映画の仕事

2006年まで約半世紀にわたって映画ファンを楽しませてくれたインディペンデント系洋画の配給会社、日本ヘラルド映画。そのヘラルドが誕生してから、惜しくも閉鎖されるまで、配給・宣伝活動してきた様々な洋画(邦画も)の歴史を一冊にまとめた『日本ヘラルド映画の仕事』が発売されました(パイ・インターナショナル刊)。元ヘラルド宣伝部の谷川健司さんが数年かけて完成した労作です。実はSCREENもちょこっとだけ協力したので、贈呈本をいただきました。
これを読んでいると、ヘラルドがどのように誕生し、どんな宣伝を行って、どれだけのスターや映画関係者を育ててきたか、その実績がよくわかります。という以上に知らなかったことも多く、大変勉強になります。配給第一作はイエジー・カヴァレロヴィッチ監督の「影」だったんですね。「気狂いピエロ」「戦争と平和」などヨーロッパからソビエト映画まで、とにかく当てまくった時代の逸話が面白い。世代によってヘラルド作品との出会いも違うと思うんですが、私が映画を見始める前に大流行だったのが「エマニエル夫人」。小学生でも知っているくらい、このソフト・ポルノ(その時なんと呼んでいたかは忘れたけど)は有名になりました。「小さな恋のメロディ」リバイバルとか「ベンジー」あたりが私ら世代とヘラルドの出会いかも。「コンボイ」のトラック軍団が私の住んでいた千葉まで来たのも覚えているなあ。コッポラとタッグを組んだ「地獄の黙示録」の意気込みもすごかったし、とにかく宣伝の仕方が、現在のパターン化したものとまるで違う奇抜で大スケールというものが多かった時代ですよね。そのころの宣伝マンというのは本当に大変だけど面白い仕事をしたんだろうなあと推察できます。
私が業界に入って最初に試写室に入れてもらったのもヘラルドだったかも。その時は新橋の駅前ビル内にあったのですが、見たのは「モナリザ」だったような……銀座のど真ん中に移ってからは、「レオン」のナタリー・ポートマンの単独取材をヘラルドの会議室でやらせてもらったことなども思い出深いですね。
と、個人的な映画体験も思い出してしまうような資料も満載。ヘラルドと聞いて懐かしいと感じる人は必読でしょうね。
posted by 編集局長 at 15:47| 日記

2017年01月26日

アカデミー賞ノミネーション

ちょっと書くのが遅くなりましたが、アカデミー賞ノミネーションをオンタイムで見ていました。例年のようにどこかのホテルに早朝から(現地のこと)記者を集めて、協会会長が登場して何人かの俳優に候補を手短にアナウンスする方法をやめて、ストリーミング映像のようなものを一斉配信する形になり面食らいましたが、この候補を発表後すぐにまとめて一覧にする作業の対処が、いずれのメディアも大変だったようで、アカデミー賞の公式サイトでも一時間違いが発生したようです。私もある程度、目安を付けて予想を書き出しておいて、そこから削ったり、付け足したりの作業が結構大変でした。
「ラ・ラ・ランド」が14個もノミネートを受けたのはちょっと意外でしたが、やはり本命ということでしょう。なんというか、現実の人生はなかなかうまくいかないものだけれど、それをかなえてくれるのが虚構の世界を描く映画の素晴らしさなんだというラストが、いかにもハリウッドが歓迎しそうなテーマで、それをすごくうまい形でミュージカルにした本作のデーミアン・チャゼルはさすがという感じ。
しかし対抗馬「ムーンライト」も素晴らしいんですよ。見方によってはLGBTものと言えなくもないんですが、一人のマイノリティーの少年が自分は何者であるかを発見し、それを受け入れていく過程を綿密にかつ優しく描いたアイデンティティーの映画なんですね。助演男優賞はまず最有力と思うのですが、後は何を獲れるかな?
「メッセージ」もSFなんですが、そこに留まらない人間のドラマになっています。「未知との遭遇」や「コンタクト」に近いと思うのですが、3作ともソニーの映画という共通項がありますね。エーミー・アダムズの落選が残念でした。
今回は「沈黙 サイレンス」や「ハドソン川の奇跡」はほとんど無視に近い状態となりましたが、もうハリウッドの世代交代は完全に始まっていることがよくわかるノミネート結果でもありました。本番ではどういう評価を下されるのか益々興味深いです。
posted by 編集局長 at 13:19| 日記

2017年01月20日

ネオン・デーモン

ひとつ、大きな変更があります。
21日発売のSCREEN3月号を読んでいただくと気付くかもしれませんが、私このたび、10年ほど務めた編集長を引退します。といいましてもまだ編集部にはおります。編集局長という肩書になりまして、編集作業を後方から支援することになります。引き続きよろしくお願いします。
ということで、このブログも「編集局長ブログ」にタイトル変更となりますね。
さて話変わりまして、この間、試写で見逃した「ネオン・デーモン」を劇場に見に行ったんですね。実は一度満員で入れなくて、日を改めて行ったんですが、なんでこんなに混んでいるのかよくわからなかったんです。で、ようやく見られた「ネオン・デーモン」、めちゃくちゃ面白かった……というより、こんな映画だったのか!といまさらながら唖然としました。ニコラス・ウィンディング・レフンの新作なのに、あまり賞レースにからんでいないなとか思ったら、これは賛否両論致し方なし!という内容だったのです。
人間性のかけらもないようなモデル業界に、野心も欲もなく飛び込んできた一人の少女。彼女がこの危険きわまりない世界で食い物にされてしまう(まさに文字通り)様を描いたこわーい映画で、主演のエル・ファニングがこれ以上ないはまり役ゆえ、無垢な彼女がどうなって、どうされてしまうのか、最初から最後までハラハラし通し。レフンが悪趣味なのか、ドSなのか、これでもかというくらいエルちゃんが大変な目にあわされます。基本的にファンタジー色も濃く、かなりモデル業界をデフォルメしているのですが、人間の美や若さに対する羨望や嫉妬、持つと持たざる者の悲喜劇をアート風に描いているともいえます。とにかくオチのグロさが評価のわかれどころかも。それゆえにヒットしているのか?と穿った見方もしてしまいました。
こういう残酷な目にあわされながらも、健気にがんばるエルが素晴らしかった。また元子役のジェナ・マローンの体当たり演技、ベラ・ヒースコートのヌードやキアヌー・リーヴズの非道ぶりなど驚かされることばかりでした。見ておいてよかった。
posted by 編集局長 at 17:45| 日記