2016年02月29日

おめでとうレオ、スタローンは……

今日は朝からWOWOWさんにお邪魔してアカデミー賞授賞式生中継のライブビューイングを鑑賞してきました。昨年よりかなり長丁場だった気がするんですが、クリス・ロックもそんなことを言っていたので、たぶんだいぶ押したのでしょう。それでもトイレに立つ時間もないほど引き込まれてしまいました。
序盤は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の独走態勢でしたが、これはまあ予期していたこと。逆に視覚効果賞を「エクス・マキナ」のような低予算映画にさらわれたのが、意外なくらいでした。77年の「スター・ウォーズ」も技術部門ばかり受賞してその年の最多受賞ではあったのですが、主要部門は全く取れなかったのと似ている感じ。そんな今回、「SW」からC−3POやR2−D2、BB−8に加え、デージー・リドリーとJ・J・エーブラムズまでプレゼンターで出てきたのに、受賞はゼロで「SW」ムードがぜんぜん盛り上がらなかったのは意外なくらい。歴代1位の大ヒット作に冷たい感じがしたのは気のせいでしょうか?
「SW」の前年に「ロッキー」でアカデミー主演男優賞と脚本賞にノミネートされていて以来のシルヴェスター・スタローンの助演男優賞にもほとんどの予想が「本命」と判断していたのですが、ふたを開けてみれば一番最初の本命マーク・ライランスに持っていかれたところが、最初の驚きでした。スタローン残念!
ところで今年もっとも予想しやすかったのは受賞のことではなく、きっとプレゼンターが黒人だらけになるだろうということ。司会がクリス・ロックだったこともあるかもしれませんが、ウーピー・ゴールドバーグ、モーガン・フリーマン、ルイス・ゴセット・ジュニアといった過去の受賞者だけでなく、チャドウィック・ボーズマンとかマイケル・B・ジョーダンとか若手まで繰り出し、はてはクィンシー・ジョーンズまで登場して、いかにも「ホワイト・オスカー」の汚名を返上しようという選出がありあり。しかもイ・ビョンホンまで借り出して、アジア系にまで目くばせを。ロックのジョークもほとんどがこの人種差別に関するものでしたが、これでボイコットしたウィル・スミスやスパイク・リーは納得できたのでしょうか。
助演女優賞アリシア・ヴィカンダー、主演女優賞ブリー・ラースンも予想通りでしたが、最も注目された主演男優賞レオナルド・ディカプリオは彼女たちより鉄板だったにもかかわらず、その名が読まれるまでみんなハラハラし通しでしたよね。スピーチにお得意の環境問題まで組みこんだレオ自身は、もう当然という感じでしたけど、我がことのように喜ぶケート・ウィンスレットとの2ショットが良かったですね。そういえば追悼コーナーでは「タイタニック」の作曲ジェームズ・ホーナーの顔があり、複雑でした。
そしてサプライズその2は作品賞。監督賞をイニャリトゥが獲ったところで、ああ今年は「レヴェナント」なんだ、と信じ切っていたところに、モーガン・フリーマンが「スポットライト!」と読み上げて、WOWOWの試写室もどよめきが起きました。これもライランス同様にもともとの本命だったんですけどね。
でも一番感動したのは作曲賞を「ヘイトフル・エイト」のエンニオ・モルリコーネが初受賞したところ。87歳の御大がわざわざイタリアから駆けつけ、涙ながらにクィンシー・ジョーンズと抱き合う姿が素晴らしかったです。今年もいいものが見られました。
posted by 編集局長 at 16:32| 日記

2016年02月28日

恒例ラジー賞発表

オンラインのニュース欄でも掲載されていますが、毎年恒例のゴールデン・ラズベリー賞=ラジー賞が決まりました。去年のワースト映画、ワースト俳優を決めるジョーク的な賞ですが、人気があります。
今年はなんと「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」と「ファンタスティック・フォー」の2作がワースト作品賞を分け合うハプニング発生。この賞の規定は知りませんが、アカデミー賞のようにまったく同票数だったのでしょうか? 主演男女優賞とコンビ賞を「フィフティ…」の二人が受賞、監督賞は「ファンタスティック…」などこの2作が主要部門を制覇したので、なんとなく面白みに欠けたような……たしかに製作中の期待度が高かったためか、二作ともちょっとがっかりな出来ではありましたが。「フィフティ…」は思い切り成人映画にすればいいものを、純愛映画にもしたいというためらいが裏目に出てしまったんでしょう。リッチな世界のはずなのにチープさが漂うところもマイナス要因? 「ファンタスティック…」は見ている間、痛々しい感じがして、アメコミ映画をなんでもかんでもシリアス化する傾向に歯止めをかけた方がいいんじゃないかとさえ思えましたね。でも共にワースト作品にするほど?という気がしなくもないです。今年はそれほど際立ってひどい映画がなかったということでしょうか。
それよりも名誉挽回賞をついにシルヴェスター・スタローンが受賞したことの方が痛快でした。あれだけラジー賞の常連だったスタローンがまさかオスカーまで登りつめようとは、ラジー賞会員の誰もがびっくりし、喜んでこの賞をスタローンに捧げた感じがして、スッキリです。さて明日はそのオスカーの本番。朝から生中継に噛り付くことになりそうです。
posted by 編集局長 at 14:56| 日記

2016年02月20日

午前十時の映画祭7

この時期になると気になりだすのが、次回の「午前十時の映画祭」について。この間も「オリエント急行殺人事件」を見てきましたが、満席でした。観客の認知度も年々高まっているようです。
そして4月2日より「午前十時の映画祭7」が行なわれることが公表されたのは、オンラインのニュースでもお知らせしたとおり。今回は新作が多いですよと言われていたのですが、個人的にとてもうれしいラインナップです。特に大画面で見たかった「ポセイドン・アドベンチャー」と「ハリーとトント」は待っていた甲斐があったというもの。しかも「ハリー…」は4Kというから、どんな画質になるのかいまから楽しみでなりません。この4K画質が今回の売り物で、「七人の侍」「めまい」「マイ・フェア・レディ」「ティファニーで朝食を」などなど名作の4Kはもう一度見たくなるものばかり。単にデジタル化に留まらない名作のリバイバルはありがたいです。ほかにも「続・夕陽のガンマン」や「アラバマ物語」(グレゴリー・ペック生誕100年だし、原作のハーパー・リーの追悼にもなりますね)、「奇跡の人」「ゲッタウェイ」なども個人的に非常に楽しみです。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」三作連続上映なども話題を呼びそうです。大げさですが本当にこれらが劇場で見られる日までは死ねませんね。
posted by 編集局長 at 16:02| 日記

2016年02月17日

第8回ブルーレイ大賞

第1回から審査員として参加させていただいているDEGジャパン・アワード ブルーレイ大賞の第8回授賞式に出席してきました。オンラインのニュース欄でも掲載しているように、グランプリはワーナーさんの「マッドマックス 怒りのデス・ロード」に決定。審査員長の麻倉怜士先生も興奮気味に語っていましたが、絵もすごいんですが、音響が素晴らしい。しかも会場の外でデモ用の4K版「デス・ロード」を映していたんですが、これがまたこれまで以上にすごくいい画質。いったいどこまで家庭用ソフトの画質は良くなるのか?
この4Kブルーレイが今年のトレンドのひとつになりそうですが、それが一般的な主流ソフトになるまでにまだ時間がかかるかも。だっていまだにブルーレイ持っていない人も多いですからね。でも一度見てしまえばDVDに戻れなくなるのがブルーレイのすごさ。審査をしていると本当に作り手の情熱が伝わります。
高音質賞を受賞した「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を見直したんですが、最初はカメラのすごさに目を奪われて音のことは気づかなかったのが、音に集中して見直すと、これまた細かい職人芸。私がトロフィーを渡したフォックスの社長さんもこの部門での評価をすごく喜んでいました。
ちなみに今回、賞のアンバサダーに就任した前田敦子さんがゲストで出席。「マッドマックス」愛をやはり興奮気味にワーナーさんに訴えていたのが印象的でした。
posted by 編集局長 at 18:44| 日記

2016年02月07日

オスカーのゆくえが見えてきた?

注目の全米監督組合賞が発表されました。受賞者は「レヴェナント:蘇えりし者」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。昨年に続いての受賞です。ということは、今年もオスカーは彼が受賞する可能性がぐんと上昇したということ。となると作品賞も「レヴェナント」が結構有利というか、最有力に近いかもしれません。ならば先日の製作者組合賞の「マネー・ショート 華麗なる大逆転」受賞はなんだったのか? 本当に今年はなかなか予想が難しい。こうなってくると「スポットライト 世紀のスクープ」や「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(こう書いていてなんですが、最近の映画の題名って、サブタイトルが覚えづらい。というか、これ宣伝部の公式な判断ではサブタイトルじゃなくて、全部がメインタイトルなんです。だから我々も文章の最初に出てくるときはいちいち全部書かなきゃいけないのですが、なんとかなりませんかね)といった批評家賞の覇者たちは、今年もオスカー本番では脇役になりそうな予感。「マッドマックス」はまだメーンじゃない賞で複数受賞できそうですが、「スポットライト」なんて下手すれば無冠の可能性も? 扱っている題材が保守派には反発を買いそうなものなんで、「スポットライト」の弱体化ぶりは仕方ないのかもしれませんが……こういうところもそろそろオスカーには変わってほしいですよね。 
そして注目のアニー賞は「インサイド・ヘッド」の一人勝ち。昨年の受賞作「ヒックとドラゴン2」のような土壇場大逆転がなければ順当にオスカーも受賞でしょう。
posted by 編集局長 at 17:41| 日記

2016年02月04日

昨日の間違い

昨日更新したブログで間違い発見。
作品賞候補と書いた「キャロル」は「ブルックリン」の誤りでした。すいません。もちろん「ブルックリン」も見ました。古風なタイプのストーリーですが、とてもいい映画でした。シアーシャ・ローナンがすっかり大人になって、見事に作品全体を一人で引っ張れる女優に成長しています。これは夏(7月頃?)公開予定なので、オスカー用にちょっと早めに見せていただいた感じです。「キャロル」は作品候補に挙がってしかるべき出来なのに、落選してしまったのでした。今年のノミネーションでのサプライズの一つでした。
posted by 編集局長 at 15:09| 日記

2016年02月03日

4月号鋭意製作中

しばらくブログを書けませんでしたが、ご承知のようにただいま4月号を鋭意製作中なのです。
今号ではアカデミー賞やら読者ベストテン発表やらでいろいろ充実していると思います。そんなアカデミー賞ですが、作品賞候補8作を全部制覇しました。もう日本公開されている「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ブリッジ・オブ・スパイ」や間もなく公開の「オデッセイ」は当然ですが、最多候補の「レヴェナント:蘇えりし者」はじめ「スポットライト 世紀のスクープ」「マネー・ショート 華麗なる大逆転」「キャロル」「ルーム」と8作を全部見ることができました。いつも1本くらいは未見のまま本番がきてしまうんですが、今年は4月までに公開されるものばかりだったので、可能になったのです。
どれもこれも力作ぞろいで見ごたえあるものばかりでした。ここから一本というのはなかな難しい選択です。それでも受賞予想しなくては原稿が書けないので、無理やり予想しましたが、本当に今年は難しい!
当初「スポットライト」優勢と見ていたんですが、「マッドマックス」にずいぶん各地の批評家作品賞持って行かれたので、大本命といいづらくなっているうえに、一番のよりどころ(?)製作者組合賞が「マネー・ショート」を選んじゃうし、最多候補は「レヴェナント」でしょう? さて困った。
ネックは「スポットライト」がキリスト教徒には受け入れがたいことを描いている点もあるんですよね。もちろん出来は良かったけれど、この内容は保守派の多いオスカー会員には、あまり快いものではない気がするし……まあもう少し様子を見ていくと本命があぶりだされていくのかもしれませんが。
そんなこんなで原稿を書きつつ、まだ先が見えていない4月号。本当に校了できるのでしょうか?(と思いつつ毎月やっているわけですが)ベストテンの結果も面白いので、ぜひ2月20日の発売日をお待ちください。
posted by 編集局長 at 21:02| 日記